個人事業が真似してはいけない大手企業の料金設定〜大企業にある「スケールメリット」とは〜

サービス内容は決まってきて、後は値段設定に悩んでいるんですが……
料金設定は、悩みどころですよね。でも個人事業は、絶対「安さ」で勝負してはいけませんよ。
高かったらお客さん来ないんじゃないですか!?
もちろん、意味もなく高くしても売れないけどね。でも、絶対に安さで勝負してはいけない理由があるんですよ。
安さは正義なんだから! ちゃんと理由を教えて下さい!

目玉商品は明確に!小さな注意書きでリスク回避

たまたま見かけたスポーツジムの料金設定が興味深かったので、考察してみました。

そのスポーツジムは月額3,100円(税込)で出放題というウリでした。

しかも、今女性に人気のホットヨガが目玉です。

  • ホットヨガ
  • 月額が相場より安い
  • 出放題

これは「ホットヨガをしたい」という女性にとっては、とても魅力的なオファーですよね。

ですが、2点、非常に気になった「小さな注意書き」がありました。

実はあまりお得じゃない「小さな注意書き」

1点目、入会する場合は3ヶ月分まとめて払う必要がある。

2点目、4ヶ月目以降は月額1万円で、その後4ヶ月間は解約できない。(違約金が発生する)

……という注意書きでした。

▼「◯◯放題の罠」の記事▼

https://hiroge-ya.com/?p=670?685

リスクはしっかり回避する巧みな大手の戦略

都合の悪いことはさり気なく伝える。

表面的には、女性の心を鷲掴みにする

  • やすい!
  • ホットヨガ!
  • 出放題!

ということを大々的にいって、都合の悪いことはさり気なく伝える

携帯電話の会社などもそうですが、月額のユーザーを増やすことで利益を得る大手のやるやり方ですね。

さて、「そんなのひどい!」とか「騙して金取ってる!?」とかをこの記事で言いたいわけではありません。(言いたくなる気持ちはわかりますけども)

小さくても、書いてあるので、騙しているわけでもないですしね。

採算が取れる形で行うことがビジネス

一番伝えたいのは、「企業はこうやって“採算が取れる形”をちゃんと作っている」ということ。

これを冷静に分析してみます。

個人も見習うべき「リスク回避」

  • まとめて前払い
  • 利益度外視なくらい安くする代わりに、安い期間をちゃんと区切る
  • 違約金を設ける

これらをすることはちゃんとしたリスク回避なのです。

集客にお金をかけるのであれば、採算が取れる計算をすべし!

要はどういうことなのかというと、こういうチラシ(広告)を出す場合、必ず、費用対効果を考えねばなりません。

簡単に言うと「広告にいくら使って(費用)、いくらの利益を得るか?(効果)」を考えています。

こういった数字の話が苦手でどんぶり勘定になりがちな方は多いと思いますので、なるべくやさしく解説していきますね。

費用は払うお金だけでなく、もらえないお金も考える。

「広告宣伝費」は単純にチラシ代とかだけでなく、キャンペーンにかける労力、キャンペーンで安売りしている分の本来の売上からのマイナスなど、複合的に考えています。

効果は成約(入金)ベースで考える。

「いくらの利益を得るか?」の得る方の試算は、「1人が体験に来てくれた」では測れないのです。

体験ではなく、会員としてお金を払ってくれなければ、いくらの費用で、いくらの利益なのかがわかりません。

勿論、「3,100円(税込)で1ヶ月契約してくれた」でもキャンペーン料金なので採算が取れません。

赤字で終わる広告に意味はありません。

1人の新規獲得にいくら出費して、いくら得るのか?仮説を立ててから実践すべし!

つまり、1人あたりが契約してくれたときに、割に合う状態を計算した上で、キャンペーンという投資を行ないます。

実際に計算してみました。

今回のスポーツジムの場合は、1件契約する時点で

  • 約3000円×3ヶ月と
  • その後、約1万円×4ヶ月で

1人あたり5万円の単価を確保しています。

もちろん、それ以上の期間継続し続けてくれれば、ライフタイムバリュー(その人が生涯で、この店に払う総額)は5万円以上です。

通常時と広告投入時を比較して考える。

普段の新規契約人数が10人だったとして、キャンペーンをやることで、一気に+40人(つまり50人)新規が入ったら、40×5万円で200万円がキャンペーンをやることで得られます。

普通に運営していたら得られない200万円を得るためならいくら投資できるだろう?

もしくはどれくらいかければ、それが可能だろう?

そうやって考えていくのです。

ビジネスは感情と理論の絶妙なバランスで成り立っている。

確かにお客様の視点で見たときには、確かに、表現方法がせこい気もしますが、(感情的には許せない)経営側から仕組みを見たら、リスクをちゃんと考えた上でのキャンペーンなのだということがわかります。(理論的には理にかなっている

ビジネスは、感情と理論の絶妙なバランスで成り立っています。

「好きな仕事」は「ビジネス」であることを心得よう

個人事業でやりがちなのが、お客様目線の「感情」に走りすぎて、採算度外視のサービスを始めてしまうこと。

  • 入会金ゼロ
  • ◯◯放題
  • 予約の振替OK

など、お客様が喜ぶモノ(いつも自分が買っていて嬉しいと思うこと)をガンガン取り入れてしまって、リスクを考えてなかったりします。

良心的にするのは全然かまわないのですが、経営が立ち行かなくなったら元も子もないですよね。

「提供できるサービス」があっても、経営方法を学ばないことで多くの個人事業主は失敗します。

好きなことを仕事にしていても、あなたの生計を支える「ビジネス」であるということを忘れてはいけません。

他より高くするのは心苦しいと感じる方もいるかもしれませんが、「あなたの仕事が存続し続けること」はお客さんにとっても大事なことです。

大手企業と個人との決定的な違いは「スケールメリット」

価格において、「スケールメリット」が享受できる大手と勝負するのは(値段で差別化をはかるのは)絶対にやめたほうがいいです。

まず勝てません。絶対に勝てません。

この理由を知らずに、安易に値段設定をしてはいけません。

大手企業と同じことをしたら割に合わない

個人事業で、「それボランティアですか?」というレベルの異常な安さで提供してしまう人がいるのですが、身を滅ぼすことになり、結局誰も救えなくなるので、やめてくださいね。

この話をすると、必ずこんな風に言う人が表れます。

「私は、お金がない人にこそ幸せになってほしい。だから高い商品なんて売れません」

私は、この考え方には断固反対します。

安さ=良心的、とは限らない!

個人事業であるなら「安さ=良心的」という考えは捨ててください。

それはほとんどがお金に対するメンタルブロック(心理的な抵抗感)であることが多いです。

「値段の高さ=悪」と考えている人は、「自分なんかにはそんな価値がない」という自信の無さの表れでしかないのです。

そして、個人であるならば、どう考えても、安さでは勝負できないのです。

一言で言うなら「個人はスケールメリットを享受できないから」です。

「個人事業はスケールメリットを享受できない」とはどういうことか?

「スケールメリット」というのは凄くシンプルに言うと、「お得なまとめ買い」です。

商売をあまりしたことがなくても、買い物をしたことがあるならばわかると思いますが、基本的に、ものであれ、場所であれ、時間であれ、「まとめて買うと安くなる」のです。

同じ場所で採れた人参でも、1本買うよりも、5本の袋詰のほうが安いし、カラオケを1時間利用するよりも、フリータイムで利用したほうが安いのです。

会議室も収容人数で割ると、一人あたりにかかる費用は、広いほうが安くなります。

つまり、場所やもの、時間どれをとっても「まとめて買える」方が費用は安く抑えられるのです。

大規模に仕入れられる大手企業とはコストが変わる。

だから、10,000個仕入れて売れる大手企業と、100個ずつ仕入れて売る個人では、原価が変わってくるので、同じ値段で売ってたら、利率は全く変わってしまうのです。

さらに言えば、原価押さえられる大規模な会社は売りさばけば元が取れるので、採算度外視の安さで勝負してくることもあります。

個人には絶対できない作戦です。

極端な話をすれば、

企業の「仕入れ値」が50円で、「売値」が70円

個人の「仕入れ値」が70円で、「売値」が80円

それで同じもの売ってたら、絶対に安さでは勝てないですよね。

企業の方が安いので消費者にとってありがたいし、利益も個人事業よりも高いので、企業も潤う。

潤えば、従業員も豊かになるし、さらなる商品開発への投資ができるのです。

個人が安さで勝負することは「お客様にとって」役に立てるだろうか?

がんばって自己犠牲的に安売りしている個人とスケールメリットを大いに活用している企業、どちらが世の中のお役に立てているだろうか?

自己犠牲したところで、個人が救える相手は限られています。

だったら、目の前の人が感動するくらいのものを提供して、その価値に見合う単価で提供するほうが、自分も相手も豊かになれる。私はそう考えます。

だから私は個人起業家にはこういいます。

安さではなく価値を売れ!

と。

個人ビジネスはお客様に大満足していただくことで、必然的に顧客単価が上がるビジネスをしていく必要があります。

あなたのビジネスは、ちゃんと設計されていますか?

誰のための商品か、誰が大喜びする商品か、ちゃんと考えられていますか?

ぜひ、チェックしてみてくださいね!

値段の付け方について、詳しくはこちらで学ぶことができます。

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