「読解力不足」が原因のコミュニケーショントラブルがSNSによって目立つようになってきました。
言葉足らずで損している人が多すぎる。
こんにちは、「ゆう」です。
周りの人を見てて「言葉足らず」でミスコミュニケーションが起きている人が多いなと感じます。
「頭の中の補完機能」に頼りすぎていると、ミスコミュニケーションは起きやすくなります。
頭の中の補完機能というのは、「状況」や「言葉の関係性」から、言ってないことも頭の中で付け加えてしまうことです。
よく小学生の頃のやりとりにありがちな「先生、トイレ!」というのが、まさに「言葉足らず」のいい例ですね。
「先生はトイレじゃありませんよ〜」と茶化される(笑)
「先生、トイレ!」は、さすがに状況的に分かる言葉ですが、実際のミスコミュニケーションは「言葉足らず」によって生まれています。
この言葉足らず、また「伝え下手」の根本原因は、実は「読解力」にあります。
「読み解く力」と「伝える力」
一見逆なように見えるこの二つの関係についてお話していきましょう。
「言葉足らず」がもたらす不運
第三者的立場から人のやり取りを聞いていると、「言葉が足りないな」って感じる瞬間がよくあります。
そりゃモメますわ。だって、お互いに言葉が足りないんだもん。
もう少し相手に配慮しないと、全然伝わりません。
さて、どんなことに気をつけていけばいいのでしょうか?
発信側も受信者側も「脳内補完」に気をつけよう!
何を配慮するかというと、まず、話し手側というのは「脳内補完」されているので、言葉が足りなくても筋道が立っていると思い込んでいるのです。
つまり、頭の中では文としては成り立っていても「発している言葉」が足りない場合があります。
そして、それを引き金に聞き手側も「脳内補完」をし始めていきます。例を見ていきましょう。
例:「もう終わっている?」という文法的に足りない表現
Aさんに「もう終わってる?」って聞かれたら、Bさんは「何が?」って思いますよね。
それで、「(聞き返すのも悪いし……)」と予測して答えてしまうと大変なことになります。続きを見ていきましょう。
Aさん「もう終わってる?」
Bさん「(あれ……何のことだろう…さっきお願いされたコピーのことかな…? やっば、すぐにやってこよう!)
……あ、はい、もうすぐできます」
Aさん「よろしく頼むよ」
…10分後…
Bさん「Aさん、さっきの言われたコピー持ってきました!」
Aさん「ん? コピー? 違う違う、1週間前に頼んだプレゼンの資料だよ!!」
Bさん「え? プレゼンの資料ですか? それなら昨日できた時にメールで送りましたよ?」
Aさん「それならそうと、早く言ってよー」
……はい。
言葉足らずがもたらす「すれ違いコミュニケーション」の典型例です。
この原因をお話していきましょう。
主語がないと、相手は勝手に予測してどんどんズレていく
元はと言えば、Aさんの主語が無いことが問題なのですが、Bさんも確認せずに勝手な判断で物事を進める。
その結果、お互いにわだかまりが残る結果に終わる。
すれ違いのコミュニケーションが起こる時は、両方の2つの問題が絡み合っています。
- 話し手の伝達力
- 聞き手の読解力
どっちが悪い、ではなく、この二人の関係性が問題なのです。
話し手の「伝達力」と聞き手の「読解力」の関係
これはかなり深刻になってきているのですが、言葉の力がどんどん弱まっています。
コミュニケーションは、「話し手の伝達力」と「聞き手の読解力」の関係性で成り立っていますが、どちらの能力も低下しています。
特にSNSなどで、短文で何気なく気持ちを吐露することが増えたことで、「言葉足らず」の投稿に対して、「理解足らず」の読み手が噛み付く。
ということが日常茶飯事で起きています。
これは、読み手がわかりやすく投稿しても起こります。
文字が読めるけど、意味が理解できない人が増加している。
ある調査によると、世間的に「文字は読めるけど、意味が理解できない」人が増えてきていると言われています。
つまり、読解力の著しい低下です。
それを考えると、講師や先生が、同じ話を大勢にしても「理解できる人」と「理解できない人」がいるのは「読解力」の差なのだということもうなずけます。
なので、「相手の話していることの意味がわからない」というのは、必ずしも話し手だけの問題ではないのです。
もちろん、あまりにも極端な差がある場合はどちらも成り立ちませんが、以下のようなことが成り立ちます。
伝達力が高いと「読解力が低くても伝わる」
「伝達力が高い」=「わかりやすく話ができる」と、相手がどんなに読解力が低くても、伝えることができます。
「小学6年生でもわかるように話しなさい」というたとえがあるように。
伝達力を高めることで、相手の読解力の低さをカバーすることができます。
読解力が高いと「伝達力が低くても伝わる」
逆も同じことが言えて、「読解力が高い」=「難解な言葉の意味を読み解くことができる」と、相手の話していることがどんなに言葉足らずでも、意味を理解することができます。
もしくは、「自分が理解できない部分がわかる」ので、的確に相手に聞き返すことができます。
このように、話し手は「わかりやすくする努力」と聞き手は「難解なものを読み解く努力」をし合うことで、ミスコミュニケーションは大幅に減らすことができます。
しかし、どうして、こんなにもミスコミュニケーションが起こってしまうのでしょうか?
読解力が低くなる社会背景
企業や広告代理店など「知ってもらうための言葉を作るプロ」の伝達力が上がっていて、どんどん世の中の発信は「大変わかりやすいもの」になっています。
わかりやすくなればなるほど、「読み解く」必要がなくなるので、読解力が養われる機会が奪われていきます。
そして、読解力が失われていくと、実は伝達力も失われていきます。
読解力と伝達力はコインの裏表の関係
読解力と伝達力の2つはコインの裏表のような関係です。
例えば、装置の仕組みを理解しているから、自分自身も装置を作れるのと同じで、構造を理解しているから、創造できるのです。
- 構造を理解すること=読解力
- 構造を踏まえて創造する力=伝達力
というように言い換えることができますね。
なので、世の中のわかりやすさにかまけて、読解力が低下することによって、同時に伝達力も失われていきます。
「マンガでわかる」や「図解」は実は危険信号
巷では活字でヒットした本が、「マンガでわかる」という形で解説されたりしています。
他にも賢い方が、活字を図解でキレイにまとめてくれて再編集された「図解でわかる」という解説本も売られています。
読み手の立場で考えると、大変読みやすくて嬉しい! と思うかと思いますが、実はこれは危険信号なのです。
裏を返せば、「マンガや図解じゃないと、わからないから読まない」という人が増えていること。
つまり「読解力が低下している」ということにほかなりません。
搾取されて生き続けるか?生み出す側に回るか?は「読解力」にかかっている。
酷なことをいいますが、「わかりやすいもの」を取り入れ続けて生きていくのであれば、搾取される側から逃れる術はありません。
何でもかんでも「難しいことをわかりやすく伝える専門家」におんぶにだっこで生きていくことになります。それは作業人の生き方です。
生み出す側に回りたいならば、「読解力」を高めることは必要不可欠なのです。
先程少し出てきましたが、「生み出す側」というのは、何かしらの専門家ということになります。
そして、専門家として生きていくには
- 小難しい専門書や説明を読み解ける力(読解力)
- その小難しい専門的な話をわかりやすく素人に伝える力(伝達力)
の両方が備わっている必要があります。
これができない専門家は、遅かれ早かれ衰退していきます。
読解力も伝達力も、結局はコインの裏表です。
では、どんなことに私達は気をつけていけばよいのでしょうか?
「自己成長」に集中せよ!
結論から言えば、自分自身の読解力や伝達力を高めることに集中することです。
他人を変えることができません。私達ができることは
- 自分が成長して変わる
- 自分と関わる人を変える
このどちらかしかありません。
つまり、もし目の前に「何言ってるかわからない人(伝達力が低い人)」がいたとしても、もしくは「言ってることがなかなか伝わらない(読解力が低い人)」がいたとしても、自分にできることは1つです。
相手の文句をいうことや指摘することではなく、自分が変わることなのです。ムカつくかもしれませんが、それしかないのです。
そして、自分が成長することで、相手にも何かしらの影響が出て相手も成長することもあります。
そうでなければ、全く別の、もっと伝達力も読解力も高い人と関われるようになって、変な人との関わりは減っていきます。
※これは世界的なベストセラーの「7つの習慣」の中の、第一の習慣「主体的である」の「関心の輪/影響の輪」というところに詳しく書かれています。
つまり、自分を変えることが、何よりも大事です。
相手がとれない剛速球のボールを投げていませんか?
コミュニケーションはよく「言葉のキャッチボール」と例えられますが、自分が「これくらいなら取れるだろう」と思って投げたボールが、相手が受け取れるとは限らないのです。
取れるだろうという予想は自分目線。
実際に相手が取れるボールは、相手目線でないとわからない。
相手の読解力や、お互いの理解し合っている部分の範囲によって、受け取れるものが違うのです。
私達は、相手が捉えられないボールを投げて、打つか打たれるかの勝負をしているわけでありません。それでは口喧嘩と変わりません。
いくら豪腕のピッチャーがバッターに打たれないためのボールは投げても、キャッチャーが取れないボールは投げません。
どんなに強い言葉刺さる表現があっても、ノーコントロールならお話にならない。仕事にならないのです。
相手の理解度に合わせて努力するのが話し手
言葉の話も同じです。
相手が受け取って初めて、その言葉は伝わる言葉なんだとわかります。
だから、いろんな表現・言い回しも確かに大事なのですが、それ以上に「相手目線の言葉」というのが、まず大前提にあることを忘れないでほしいのです。
言葉足らずが招くミスコミュニケーションほど愚かなものはありません。それでお互いが気分悪いんじゃ笑えないですよ。
言葉を略さず省かず、丁寧に使う。
言葉を略さず省かず、丁寧に使う事が重要です。
ですが、長ったらしくしないことも大事です。
前提がダラダラ長いと、聞くことに集中してくれなくなります。
だから、まずは結論から伝える。
そういう「伝え方」は、本当に日々気をつけたほうが良いです。
日々の会話だけでなく、ブログやSNSなどでもよく見かけます。
- それ分かるの、あなただけですよ?
- それ伝わってるの、内輪の人だけですよ?
- 写真と「ウケる」だけでは、どのポイントが面白いのかわかりませんよ?
そんな投稿してないですか?
全く初めて相手がそれを目にしたとして、果たしてその投稿で伝わるのか?
それを考えていく必要がありますね。
読解力と伝達力を高めるための「専門家ブログ」のすすめ
読解力と伝達力を高めるために、もっと言えば、「生み出す側」になるために、私は専門家としての「ブログ」を書くことをおすすめしています。
理由はいくつかありますが、「インプット、アウトプット、フィードバック、コミュニケーション」の一連の流れを実践できるからです。
つまりこういうことです。
- 専門書など難解なものを読み解いて「インプット」する必要がある。
- 相手に伝わる言葉で、丁寧に「アウトプット」する必要がある。
- 相手にわかりやすく伝わったか? 数値という「フィードバック」が得られる。
- さらに、コメントなどをもらうことで「コミュニケーション」が生まれる。
という一連の流れがあります。それぞれを見ていきましょう。
1、専門書など難解なものを読み解いて「インプット」する必要がある。
何かしらの専門家としてブログを書く場合、必ず専門的な知識やスキルのインプットが必要ですし、自分自身が実践できるだけの「理解」も必要です。
その過程で、専門書やその分野の権威の話を読み解いて、実践レベルに落とし込むプロセスが必要です。
初めて聞く言葉を理解し、初めて聞く概念や仕組みを理解して、自分の中に蓄えていきます。
それを繰り返すことが「読解力」が深まるポイントです。
「マンガでわかる」や「図解」を最初は使ってもいい
先程は、「マンガでわかる」や「図解」は危険信号という話をしましたが、戦略的に使うのは問題ありません。
専門分野に首を突っ込む場合、最初のとっかかりがなかなかつかめないものです。
そういう時に、こういう「超入門」の本が役に立ちます。
つまり、最初に読む本としては推奨します。
伝えたいのは「マンガでわかるでわかった気になるな」この一言につきます。
ざっと、その分野の入門知識を取り入れたら、いよいよ専門書に取り掛かっていくのです。
まずは、インプットを行い、読解力を鍛えていきます。
続いては「アウトプット」です。
2、相手に伝わる言葉で丁寧に「アウトプット」する必要がある。
ブログは書きながら、何度も推敲を重ねて、文章を磨くことができます。
そして、実はこの「書く」という行為もまた「理解」に繋がります。
つまり、伝達の練習をしながらも、読解力を更に高めることに繋がります。
学習したものは、頭に詰め込んだ時点ではまだ完全に理解しているとは言えません。
誰かに伝える時に、初めて自分のものになります。
よく勉強とかで「人に教えると理解が深まる」といいますが、まさにそれと同じです。
ブログは、「自分が理解したことを、自分の言葉で相手に伝える」練習なのです。
ブログは何度も書き直せるのもメリットです。
日が経ってから改めて読んでみると、書いた当時の脳内補完がなく、場合によっては完全に忘れているので、自分で書いたにもかかわらず「あれ? ここわかりにくいな」なんて感じることがあります。
そうやって、忘れた時にまたすぐに思い出すようにしていくと、次第に本当に理解できるようになっていきます。
しかし、自己完結で終わらないのがブログの良いところです。
3、相手にわかりやすく伝わったか?数値という「フィードバック」が得られる。
ブログには、「アクセス数」という数値でわかる評価があります。
つまり、直接的に言葉でフィードバックをしてくれなくても、発信したら「無言のフィードバック」を貰えるのです。
「無言の」というのは、いいことでもあります。
言ってくれたらはっきりして嬉しいと思う反面、ビシバシと指摘されると心が折れてしまうこともあります。
それよりも、
- アクセス数が低い=伝わらなかった。面白くなかった。
- アクセス数が高い=伝わった。面白かった。
というように判断することができます。
(もちろん、アクセス数というのはそんなに単純なものでもないですが、まずはシンプルに考えましょう)
そして、徐々に数値をあげていくために、毎回改善をしていくことで、「わかりやすさ」も「専門性」も高まっていきます。
「わかりやすいのに、内容が濃い」が専門家としての最大級の褒め言葉です。
そして、反応が高まれば、いい反応も、悪い反応もたくさん来るようになるので、最初のうちに全然反応がないことは気にしないようにしましょう!
そうして、そうやって数値だけでなく、人からの直接的な反応が来た時に双方向のコミュニケーションが生まれます。
4、さらに、コメントなどをもらうことで「コミュニケーション」が生まれる。
いい反応も、悪い反応ももらえるようになったら、専門家としては一人前ですね!
コミュニケーションが生まれてくることで、相手との会話が発生するので、よりリアルな「読解力」と「伝達力」を求められます。
ここでも多くの数稽古を行っていくことが可能となります。
最後に、なぜメルマガやSNSではなく、ブログなのか? を簡単にお伝えしましょう
メルマガやSNSではなく、ブログをおすすめする理由
理由1、メルマガは登録者ありきのサービスだから
ブログとメルマガの最大の違いは、メルマガは「メルマガを登録している人だけに発信する」ということです。
これが最大のメリットでありながら、裏を返せば、「ある程度の読者が必要」ということでもあります。
では、読者はどうやって集めるの? と考えていくと……。
結論として、「まずはブログから」始めた方が多くのメリットが得られます。
理由2、SNSもメルマガもストック型ではないから
SNSは投稿がどんどん流れていくフロー型の情報配信です。
メルマガも、相手のメールボックスに溜まったりバックナンバーは溜まっていきますが、基本的には「届いたときに読む」フロー型の情報配信です。
ブログだけは、不特定多数の人にとって、いつ見に来てもそこにおいてある「ストック型」の情報配信なので、書いたら書いた文だけ新しい人と出会う資産になります。
理由3、SNSは長文向きではないし、専門家としての投稿も適さない
SNSは、基本的には「コミュニケーション」を行うツールなので、専門家としての投稿は適さない場合が多いです。
特に、SNSに直接、長文の専門的な投稿をしても、非常に読みづらいのでほとんど読まれません。
そもそもTwitterなんかは字数制限があるので、どうしても短文でライトに伝えていくことになります。
わかりやすくライトに伝えていく練習にはなりますし、相手と出会う最初の切り口としてはいいですが、専門家としての価値を高めていくにはSNSでは役不足です。
まとめ
読解力を高めることで、コミュニケーションのすれ違いをなくすことができます。
そして、読解力を高めることで、伝達力をあげていくことができます。
「わかりやすさの追求」は大切ですが、自分自身が「わかりやすいものしか理解できない」というような状態では専門的にはなれません。
難しいことを理解し、わかりやすく伝えることができるから専門家なのです。
相手の言っていることがわからないことも、相手が自分の言っていることを理解してくれないこともあります。
それは相手にも問題があるかもしれませんが、私達ができることは、読解力と伝達力を高めることです。
まずは読解力を高めて、専門性が高く、わかりやすい発信をしていきましょう!