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商品が売れるかどうかを決める7大要素〜本紹介:ストーリーブランド戦略

優れた文章を書くヒントは、
何を書くかではなく、何を書かないかである。

こんにちは、「ゆう」です。

今回は、商品を売りまずに売るために「ストーリー」の力を使って見込み客に価値を伝えていくための「ストーリーブランド戦略」についての本をご紹介します。

後半では、この書籍の要である、「7大要素」について開設していきます。

「いい商品を作ったら売れる」は幻想です。

私は、以前「いい商品を作れば、絶対に売れる!」と思っていました。

せっかくの商談があって、商品をアピールしても

  • 「少し考えます」
  • 「検討します」

と言われ、その後連絡が取れないことも……

その一方で、「品質はこちらのほうが良いと思うのに、なぜ、こちら以上に売れているのだろう?」と思うような商品を見かけるたびに悔しくなりました。何が違うのでしょうか?

スティーブ・ジョブズの事例が参考になるので少し紹介しますね。

Apple追放後のジョブズがピクサーで見つけた売れるためのヒント

9ページにも及ぶ超大作の広告がもたらした大失敗

スティーブ・ジョブズはある日、自分の作った会社のAppleを追い出されました。
原因はとあるプロジェクトの失敗でした。
そのプロジェクトで作った商品はかなり良い商品でした。
そして、ニューヨーク・タイムズ紙に大々的な広告まで掲載したのです。
その広告がマニアックな説明が長々と続く9ページにも渡る超大作
しかし、この商品は全く売れなかった。

この原因はどこにあったのでしょうか?

ジョブズがピクサーで知ることになった物語のとある秘密

ジョブズはプロジェクトを失敗し会社を追い出された後、物語作りの天才が集まるピクサーで働く事になりました。
(ピクサーといえば、トイストーリーとか、ファインディング・ニモなど名作の長編CG映画を多数生み出している会社ですね。)

ピクサーの中でジョブズは、とある「秘密」を知る事になりました。
この「秘密」は何十年経った今でもピクサー映画を世界中で大ヒットさせています。

そして、この「秘密」を知ってAppleに戻ったジョブズは、次々のヒット作を生み出しました。

秘密を手に入れたジョブズがAppleにもたらしたもの

ジョブズがAppleに戻ると、Appleは顧客中心主義となり、そのメッセージは説得力のある簡潔なものとなりました。
かつては、9ページのマニアックな説明を長々と続けるような広告を出していましたが、新しい広告キャンペーンのスローガンは「Think Different.(シンク・ディファレント)」のたった2語。
ほとんどの広告で、商品そのものではなく、商品が顧客にもたらす未来を描くメッセージにシフトしていった。

一体、ジョブズが手に入れたとある「秘密」とは何だとおもいますか?

その正体は、商品が売れる「ストーリーのパターン」です。

ハリウッド映画などで使われる売れる物語のパターンを商品に応用した事でAppleは急成長を遂げました。

更に、この書籍の核心的な部分となる「パターンを構成する7大要素」について解説していきます。

売れる物語のパターンを7大要素

有名な映画、例えばパイレーツ・オブ・カリビアンやスターウォーズなどもこの構成に沿って作られています。
そして、それをビジネスに応用したものがストーリーブランド戦略です。

ストーリーは「消費者中心」で描くべし!

まず、大前提として、ストーリーは消費者中心つまり、「消費者が主人公」として描きます。

この部分で大半の販売者が「商品中心」
つまり、
自社が扱っている商品やサービスが困っている人を救うという英雄譚を書いてしまいがちですが、
このストーリーブランド戦略では、そうではないとしています。

あくまで、「消費者が主役で、商品は顧客の変化・結果をもたらす役」というスタンスです。
ここが大きなポイントとなります。

さて、7大要素を詳しく見ていきましょう。

ステップ1 主人公

商品やサービスではなく、消費者を主人公にする。
前述の通り、このストーリーブランド戦略は「消費者=顧客」が主人公です。

ステップ2 問題の特定

消費者が買うのは、外的問題に対する解決策ではなく、内的問題の解決策である。
外的問題というのは、自覚症状や、行動につながる直接的な動機。それに対して、内的問題というのは、本当に解決したいと思っている根本的な問題。

ステップ3 導き手の登場

消費者が求めているのはもう1人の主人公ではなく、導き手である。
導き手が、商品やサービスです。ここをどう描くかがポイント。

ステップ4 計画の提示

消費者が信頼するのは計画を提示する導き手である。
ここで導き手は「約束」の計画と「過程」の計画を作り、消費者の信頼を得て、安定に至るわかりやすい道筋を示す。

ステップ5 行動喚起

行動を促されない限り消費者は行動しない。
消費者は自分からは行動を起こすのではなく、行動を促される必要がある。
この行動喚起の方法には直接的なものと、段階的に行動を促して消費者との関係を深める方法の2種類がある。

ステップ6 回避したい失敗

人間は悲しい結末を避けようとする。
アナザーストーリーを鮮明に描く。つまり、「もし、この問題を解決しなければ、どんな恐ろしいことが起きてしまうのか?」ということを鮮明に描きます。

ステップ7 成功する結末

商品やサービスの価値を推測してもらおうとせず、必ず言葉にして伝える。
暗示ではなく、こちらも鮮明に伝える必要があります。

ここまでが本書で紹介されているストーリーを構築するフレームワークの概要です。

書籍では、これらの7つのステップが1つずつ詳しく紹介されています。

この7つのステップを通してストーリーを構築することで、非常にシンプルでわかりやすい「消費者にとっての商品のメリット」を伝えるための文章が出来上がります。

ぜひ、じっくり読んでトライしてみてくださいね!
※洋書の翻訳本ですが、非常に読みやすい本ですので、その点もおすすめポイントです。

ストーリーで伝えられると、忘れない

物語の力、というものはとても重要な概念ですね。
物語で伝えられると1回見ただけでも覚えてるものですよね。

同じ映画を何回も見るほど好きな人じゃなくても、見た映画についての「あらすじ」は結構人に話せるものです。

  • 主人公がどんな人で、
  • どんな問題が起きて、
  • どんな助けがあって
  • どんな解決策で
  • なぜそれを決心し、
  • 回避できた未来は何で
  • 結末はどうなるのか?

というようなことを、全部が全部おもしろおかしくとはいかなくても話せるのではないでしょうか?
桃太郎なんかも忘れもしない物語ですよね。

ストーリーにするというのは

  • 「忘れない」
  • 「伝えやすい」

という利点もあります。

ストーリーの力、身につけていきましょう!

一番「わかりやすい商品」が買われていく

本書の中で印象的だった一言があります。

それが、
人々が買うのは、最高の商品ではない。一番わかりやすい商品なのだ。
という一文。(帯にも使われています。)

たしかにそうですよね。
そして、この一文に「いい商品を作っても、売れない理由」が全て詰まっていると言っても過言ではないです。

最後にもう1つ本書の中から印象的な言葉を紹介します。
何を書くかではなく、何を書かないかである。
冒頭でも書いた言葉です。これはしびれましたね。

普通なら、
「どう書くか?よりも何を書くか?」
「何を書くかよりも誰が書くか?」
などのように、
「書くこと」に意識が行きがちですが、
書かないものを決める
という視点は非常にシンプルでわかりやすいヒントになりますね。

この本は、文章が書くのが苦手な人にこそ身につけてほしい、ストーリー作成のシナリオがしっかりと書かれているので、ぜひ読んでみてくださいね。