5人いるとバランスよくドタバタする!
こんにちは、「ゆう」です。
実話を元にした青春映画の『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』を見てきました。
前回は、言葉のチカラ「3つの法則」ということについてお話しました。
▼前回の記事
言葉のリズム、3つの法則〜青春映画チア☆ダンから学ぶ言葉の力〜
今回は物語を彩るキャラクターの法則についてお話していきます。
(ネタバレは殆ど無いのでご安心ください)
「5人」が良いのです。
「キャラ5人の法則」〜チア☆ダンから学ぶ物語の力〜
チア☆ダンを見ていて思い出したのが、私の青春時代の学園ドラマ「ウォーターボーイズ」でした。
※映画版が先ですが、私が一番ハマっていたのはテレビドラマ版です。
余談ですが、テレビドラマ版を放映していた時私は髪を茶髪にしており、更にメガネもかけていませんでした。
当時から森山未來さんに似ていると言われていたので、森山未來さん演じる「タテノリ(アダ名)」と呼ばれることが多々ありました。
さて、この話はさておき、何がどう似ているかというと
- 実話を元にしている
- 部活奮闘モノ
- 団体競技
- ストーリーの構成
そして何より――
主要キャラの役割
これは物語を構成する上でとても大事な要素ですが、王道スタイルが採用されていることが、とてもベタですが分かりやすいのです。
ベタな王道5人のキャラクター設定は戦隊モノにあり
- 熱血漢の赤
- クールな青
- お調子者の黃
- 調和を愛する緑
- 紅一点のピンク
これ、何のことかわかりますか?
戦隊ヒーローモノの元祖「ゴレンジャー」の色とキャラクター設定です。
仲間でチカラを合わせて何かを成し遂げる場合、3人もまたバランスが良いのですが、5人もバランスが良かったりします。
ポーズ決める時も奇数のほうが調和がとれますね。
チア☆ダンもウォーターボーイズも主要なキャラクターは5人です。
チア☆ダンの主要キャラクターはポスターの5人!
ちょうどこのポスターのチアの格好している5人ですね。
- 元気印の主人公
- 真面目で万能な部長
- 人付き合いが苦手な孤高の実力者
- 存在自体がギャグ
- 調和させる空気的存在
この5人で成り立っています。
特徴がないのが特徴、弱点がないのが弱点
最後の5人目はどうなんだ?(チョイ役じゃないのか?)と思いましたが、元SMAPでいえば草なぎくん的な位置づけ。
目立たないけど、いることで調和が保たれます。
今回のチア☆ダンでも、クローズアップされることはなかったのですが、(映画なので、きっと尺的にもね)部活崩壊の危機の時も主人公の近くにいてくれたりと何かとありがたいキャラです。
男のシンクロ「ウォーターボーイズ」も5人が奮闘する
ウォーターボーイズも似たようなキャラクター構成になっています。
- 情熱だけは誰にも負けない主人公
- いつもおちゃらけてる親友(空気)
- 優等生で真面目な生徒会長
- 人付き合いが苦手な孤高の実力者
- 存在自体がギャグ
若干の重要度の違いはあれど、ほぼほぼ近いものを感じました。(空気がムードメーカーになっています)
何かと多い5人組
SMAPや嵐、名探偵コナンの少年探偵団、一般的なロックバンド(ヴォーカル、ギター、ベース、ピアノ、ドラム)……
※ボーカルが楽器を兼任したり、ピアノの代わりにギター2本だったりしますが、パート分けとしてはこの5人がバランスいいです。
5人のキャラクターが個性を発揮しやすいバランスなのです。
さて、これがどうビジネスに生かせるか?
自分のポジションを作ろう!〜チア☆ダンから学ぶキャラ立ちの力〜
今回はキャラクターの重要性をビジネスに当てはめていきます。
「キャラがかぶる」は芸能界では共演NG
あなたは「キャラがかぶっている……」という言葉を聞いたことはないですか?
これは、性格や容姿などが似ているために、役どころが同じ人同士のことを指しています。
芸能界では、この場合共演NGです。
双子でもない限り、同じようなキャラはメディア的に不要です。(ギャラも馬鹿になりませんし)
どうやって立ち回るのかを必ずポジショニングしている
司会のAさんのボケに対して突っ込んでくれるキャラ。
どんな状態にも笑顔で対応し、悪ノリにも応じてくれるキャラ。
番組を壊しかねないギリギリのことをしでかすキャラ。
……などなど、番組を構成する上で、誰をどう配置したら面白いかを考えているのです。
主人公だけが大事ではなく、それぞれの役に重要な意味がある
かっこよさ
セクシーさ
面白さ
誠実さ
やんちゃさ
そのチームにおけるどんな役どころなのか?
戦略的に考えることで、一人ひとりが主役のように輝き出します。
物語の構成上主人公は存在しますが、それはあくまで主軸。
もっといえば、「視聴者に誰の視点で世界を見させるか?」という価値観の固定をしているのです。
主人公は万能じゃないからバランスが良い
実際は、それぞれが主人公に匹敵するキャラの濃さを持っています。
むしろ、主人公はそんなに万能じゃない方が面白い。
脇を固めるキャラが際立つので。
今回のチア☆ダンで入部したての主人公は落ちこぼれです。
しかし、「笑顔”だけ”はいい」と褒められ、チームのムードメーカーとして奮闘します。
主人公は物語の中盤でこんなことを言います。
端っこでもセンターになったつもりで踊る
そう、真ん中にいる人だけが主役じゃないのです。
脇役にも敵役にも重要な役割がある
脇を固めるのだって、敵役だって
立派な役割です。
そして、個性的であればどのキャラクターにもファンは付きます。
実際に、チア☆ダンを見た人なら「誰を応援したいと思った?」とか「誰が一番可愛かった?」なんて話で盛り上がったと思います。
個性を活かすとファンが付く。
起業家も個性を活かすからファンが付く
これは起業家・経営者でも同じことです。
今は協会や伝承など「個人のビジネスを受け継ぐ」というスタイルのビジネスや、よくわからないオリジナルなビジネスも本当に多く、似たようなビジネスで溢れています。
ですが、同じところをだけを魅せれば「似たようなもの」で終わります。
今回だって、「福井のチアダンス部の女の子」と言ってしまえば、みんな同じになります。
同じところを魅せるのではなく違いを強調すること
大事なのは「違いを強調すること」。
それはビジネスの面でも性格的や価値観の面でも言えます。
いや、同じ商品を売っている先輩がいるなら、なおさら、性格や価値観、つまり、「キャラクター」をしっかりと出していく必要があるのです。
よく私は起業家はキャラクタービジネスだとたとえていますが、「どんなキャラクターで行くのか?」をしっかりと考えることで、「他者との違い」を明確にしていくことが出来ます。
ぜひ参考にしてみてくださいね!
「あえてのキャラかぶり」
チアダンでは後半にあえてのキャラかぶりキャラが登場します。
これは学生の部活という仕組みを考えると面白いです。
「人付き合いが苦手な孤高の実力者」役の子は、中盤に仲間と打ち解けて自分の弱点を克服します。
そして、その後、後輩として人付き合いが苦手な実力者が入部してきます。
時期を遅らせてキャラかぶりを登場させることで、「時間経過によるビフォアアフター」を演出しています。
「●●ちゃんも昔は同じだったよ」
「私も以前はあなたみたいだったの」
ということを魅せることで、「孤高」だったキャラが「仲間を想う」キャラに成長したそんな過程を明確に描く事ができます。
「キャラかぶり」は効果的に使うことで、相乗効果を期待できるものでもあるのです。
次回:1人に絞ることで感情移入が生まれる。〜チア☆ダンから学ぶペルソナの力〜